タイトルは素人さんぽく書いてみましたが、バドミントンの “羽根“(以下、”シャトル“)にはいろいろな種類があり、初級者の方やこれからバドミントンを始める方には分からないことも多いと思います。
そこで今回は、バドミントンのシャトルがどのように分類され、それぞれどのようなシーンで使われているのかをまとめていきたいと思います。
INDEX
シャトルの製造工程
シャトルの製造工程については詳しく書いてもみなさんあまり興味がないと思うので、YouTubeで見つけた2分ほどの動画をご紹介します。
このように多くの工程を経てバドミントンのシャトルは作られています。
シャトルのグレードは「羽根」と「コルク」で決まる
バドミントンのシャトル(水鳥球)は今や様々なメーカーから様々な価格帯のものが販売されていますが、そのグレードは主に「羽根」と「コルク」で決まります。
それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。
羽根
バドミントンのシャトルに使われる羽根は、主に「ガチョウ」と「アヒル」ですが、一般的には「ガチョウ」の羽根のほうが耐久性が高く、価格も高いです。
羽根の色の特徴ですが、ガチョウの羽根はうっすらと黄味がかっていますが、アヒルの羽根は真っ白で綺麗な印象を受けるため、パッと見はアヒルの羽根のほうが高級に見えてしまうかもしれません。
コルク
シャトルの品質を決めるもう一つの要素は、「コルク」です。
コルクの構造は、主に一層/二層/三層構造のいずれかで作られていて、コルクの種類は「天然コルク」の他に「人工コルク」、「圧縮コルク」などがあります。
どのような組み合わせが一番コスパが良く飛行性・耐久性を担保できるのか、各メーカー研究を重ねて製造しています。
一般的には100%天然コルク(一層構造)で作られたシャトルが一番打球感が良いとされていますが、最近では人工コルクを天然コルクで挟み込んだ三層構造のシャトルがコストパフォーマンス・品質の面から主流になってきていると耳にしたこともあります。
さて、ここまで「羽根」と「コルク」について解説をしましたが、先述したとおり同じガチョウの羽根でも品質はピンキリ。コルクに至っては切断して中を見なければどのような構造になっているか分かりません。
ということで事項では、実際にシャトルを使ってみて良し悪しを判断する際のポイントについてご説明したいと思います。
シャトルの良し悪しは何で判断する?
1. 飛行性
まずはシンプルにまっすぐ飛ぶかということ。そして、飛び方に個体差が無いかということです。
バドミントンのシャトルは、品質の良いものですとシャトルが回転しながらまっすぐ飛んできますが、粗悪品の場合は(サッカーの無回転シュートのように)シャトルの回転が不十分で、少しうねりながら飛んできたりします。
また、ラケットで打った瞬間に「ぶるん!」と動く(暴れる?)ようなシャトルもたまにありますが、より実戦に近い練習をしたいのであればこういったものも避けたほうが良いでしょう。
2. 耐久性
そして2つ目は、壊れにくさです。
シャトルの耐久性は、シャトルに使用している羽根やコルクそのものの耐久性と、シャトルを構成する部品(コルク・羽根・かがり糸)をコーティングしている接着剤の成分によって決まると言われています。
耐久性については、しばらく使ってみてどの程度消耗するのかを集計するなどして他のシャトルと比較すると良いでしょう。
3. 壊れ方
3つ目は、壊れ方。
これについてはもしかすると初級者の方はあまり意識したことが無いかもしれませんが、中級者以上のプレイヤーが多いチームにとっては非常に重要なポイントです。
バドミントンのシャトルは、その消耗度合いに応じて以下のような用途で使われます。(あくまでも一般論です。)
- LEVEL.1試合用試合やゲーム練習はきれいなシャトルで
- LEVEL.2基礎打ち・パターン練習用試合で使えなくなったシャトルは基礎打ち球に
- LEVEL.3ノック用基礎打ち球としても厳しくなったらノック球に
- LEVEL.4廃棄ボロボロで使えなくなったら捨てましょう
シャトルの壊れ方を私なりに分類すると以下の3つ。
- 羽根の軸(根本に近いほう)がポッキリ折れる
- 先のほうが全体的に外側に広がって(開いて)しまう
- 羽根が毛羽立って先端のほうから少しずつ壊れていく
1 or 2 の壊れ方をするシャトルは飛びが安定しなくなってしまうため、基礎打ちやパターン練習で使うにはあまり適していません。
羽根の軸の部分が折れておらず、先端も開いていない、3 の壊れ方をするシャトルが「良いシャトル」の条件です。
4. 価格
最後はやはり価格です。
当然、特定のメーカーに限定した話であれば「シャトルの品質」と「価格」は比例しますが、メーカーを特定しなければそんなことはありません。A社の¥4,000のシャトルと、B社の¥3,500のシャトルが同一品質であることなんて普通にある話です。
これまでにお伝えしたポイント(飛び方・耐久性・壊れ方・価格)を総合的に評価し、”最強コスパ” のシャトルを見つけちゃいましょう!
スピード番号とは?
気温や標高によるシャトルの飛びの変化
下表のとおり、気温が高くなったり標高が高くなったりするとシャトルはよく飛ぶようになり、逆に気温や標高が低いとあまり飛ばなくなります。
気温 | 標高 | シャトルの飛び |
---|---|---|
高い(暑い) | 高い | よく飛ぶようになる |
低い(寒い) | 低い | あまり飛ばなくなる |
スピード番号は1番から6番
バドミントンのシャトルには1番から6番までの「スピード番号」が定められており、季節(気温)に応じてこれらを使い分けます。
暑い時期は飛ばないシャトルを使い、逆に寒い時期はよく飛ぶシャトルを使います。
スピード番号 | 飛び方 | 季節(気温) |
---|---|---|
1番 | 飛ばない | 夏(33℃以上) |
2番 | ↑ | 夏(27~33℃) |
3番 | ↑ | 春・秋(22~28℃) |
4番 | ↓ | 春・秋(17~23℃) |
5番 | ↓ | 冬(12~18℃) |
6番 | 飛ぶ | 冬(7~13℃) |
検定球とは?
バドミントンのシャトルには「検定球」と呼ばれるものがありますが、これは全て 公益財団法人 日本バドミントン協会(以下、日本バドミントン協会)による ”用具器具検定” に合格し、その品質を保証されたシャトルのことを指します。
検定球には、「第一種検定合格球」と「第二種検定合格球」があり、それぞれ金色のシールと銀色のシールがシャトルの筒のフタ辺りに貼られています。
このシールが貼られていないシャトルは、日本バドミントン協会の検定を通っていないシャトルということになります。
検定球以外の(検定を通っていない)シャトルを総称して「練習球」と呼ぶことがありますが、ひと口に練習球と言ってもその品質はピンキリで、粗悪なものから高品質なものまでありとあらゆるシャトルが販売されています。
中には、検定球よりも高品質な非検定球もあるようですので、必ずしも「検定球 > 非検定球」と決めつけないほうが良いでしょう。
第一種検定合格球
金色のシールが貼られているシャトルです。
第一種検定に合格したシャトルは、日本バドミントン協会が主催する大会(全国大会, 国民体育大会 等)およびその予選大会で使用することができます。
現在は主要メーカー以外にも一種検定に合格しているシャトルはたくさんありますが、ここではバドミントン主要メーカーから発売されている一種検定シャトルをいくつかご紹介したいと思います。
YONEX | MIZUNO | GOSEN | RSL |
---|---|---|---|
NEW OFFICIAL | SKYCROSS G-I | NEO FEATHER DIAMOND | NO.1 TOURNEY |
¥4,750 + 税 | ¥4,800 + 税 | ¥4,500 + 税 | ¥3,300 + 税 |
第二種検定合格球
銀色のシールが貼られているシャトルです。
第二種検定に合格したシャトルは、日本バドミントン協会の加盟団体(各都道府県, 市町村協会や連盟)が単独で開催する大会で使用することができます。
YONEX | MIZUNO | GOSEN | RSL |
---|---|---|---|
AEROSENSA700 | SKYCROSS G-II | NEO FEATHER EMERALD | SILVER FEATHER |
¥4,300 + 税 | ¥4,100 + 税 | ¥3,900 + 税 | ¥3,000 + 税 |
検定に関するうんちく
先ほどからご紹介している検定球に貼られているシール。実はこれ、シャトルメーカーさんが日本バドミントン協会から有料で購入しているんです。
- 一種検定合格球用(金色のシール):50円 / 枚
- 二種検定合格球用(銀色のシール):30円 / 枚
もちろん、この他にも検定を通すためには「検定料」や「登録料」が必要になりますし、メーカーとして新規参入する場合は「調査料」という名目で多大な費用がかかりますので、その分検定球は値段が高くなってしまうという訳です。
コスパ最高シャトルを見つけ出せ!
これまでいろいろと書きましたが、結局は自分たちが使うシャトルは自分たちで比較検討してみて「一番コスパが良い!」と感じるものを使うべきだと思います。
私もmintonの活動でいろいろなメーカーのシャトルを使ってきましたが、どのシャトルが一番コスパが良いのか、まだ模索している段階です。
いくつかご紹介したいシャトルもあるのですが、本稿ではあえてお勧めなどはせず、読者のみなさんに選択肢を提示するところまでで止めておきたいと思います。
バドミントンシャトルメーカー一覧(2019年1月時点)
メーカー名 | 検定球 | 最高値 (税抜き) |
最安値 (税抜き) |
---|---|---|---|
YONEX | ● | ¥5,350 | ¥2,100 |
MIZUNO | ● | ¥5,300 | ¥2,600 |
GOSEN | ● | ¥5,200 | ¥1,900 |
RSL | ● | ¥3,300 | ¥1,999 |
Kumpoo | ● | ¥4,630 | ¥2,685 |
Victor | ● | ¥4,500 | ¥3,600 |
KIZUNA | ● | ¥5,000 | ¥2,500 |
Material Crew | ● | ¥3,000(※) | ¥1,620(※) |
Shuttle Club | ● | ¥3,000(※) | ¥1,800(※) |
MILAN | ● | ¥2,204 | ¥1,833 |
ZEUS | ¥2,700 | ¥1,300 | |
Phoenix | ¥2,980(※) | – |
※10ダース単位の価格です。1ダース単位で購入する場合は値段が変わりますのでご注意ください。
それではまた~
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