みなさんこんにちは。mintonの平子(@minton_hirako)です。
みなさんはバドミントンの指導者資格についてどれくらいご存知ですか?実は僕自身あまり体系的に理解できていなかったので、バドミントンの指導者資格について少し調べてみました。
INDEX
公認バドミントン指導者資格とは
日本バドミントン協会のWebサイトを覗いてみると、関係者専用ページに「公認指導者」というメニューを発見!
配布されているドキュメントに一通り目を通しましたが、ここで配布されているのは講習会/研修会の申請書や報告書のテンプレートだけで、公認指導者とはなんぞや?といった情報は特に載っていませんでした。
・・・さっそく行き詰まった感ありますが(笑)、さらに調査を進めていくといろいろなことが分かってきました。
正式名称は「公認スポーツ指導者資格」
どうやらこの「公認指導者」というのは、日本スポーツ協会(2018年4月に日本体育協会から名称変更)が提唱する「公認スポーツ指導者資格制度」の中の、バドミントン競技の指導者資格のようです。
繰り返しになりますが、「公認バドミントン指導者資格」とは、日本スポーツ協会と日本バドミントン協会が公認する指導者の資格です。
日本スポーツ協会の公式サイトでは、未来の公認スポーツ指導者のみなさんに向け以下のように発信しています。
日本スポーツ協会は、生涯を通じた「快適なスポーツライフ」を構築するため、その推進の中心となる指導者を養成しています。あなたも「公認スポーツ指導者」になってみんなの「快適なスポーツライフ」をサポートしてみませんか?
【出典】日本スポーツ協会 Webサイト
バドミントンは「生涯スポーツ」として多くの方に愛されているスポーツですが、快適なバドミントンライフを送るためには良い指導者の存在が必要不可欠であるということですね。
それではここからは、公認バドミントン指導者資格について少し掘り下げながら見ていきましょう。
公認バドミントン指導者のカテゴリー
日本スポーツ協会の提唱する「公認スポーツ指導者資格」には7つのカテゴリーの指導者資格(教師/上級教師/コーチ1~4/スタートコーチ)が存在します。
バドミントンの場合、この内のコーチ1~4について日本バドミントン協会(日本バドミントン指導者連盟)が取得基準を定め公認しています。
資格名称(新) | 資格名称(旧) | 難易度 |
---|---|---|
コーチ4 | 上級コーチ(バドミントン1級) | 高 |
コーチ3 | コーチ(バドミントン2級) | ↑ |
コーチ2 | 上級指導員(バドミントン3級) | ↓ |
コーチ1 | 指導員(バドミントン4級) | 低 |
また、2019年度から新設された「スタートコーチ」は1日(厳密には7時間)の講習で取得できる資格とのことですが、日本バドミントン指導者連盟の中の方によると来年度からの導入を検討中だそうです。
詳しい内容は日本スポーツ協会のWebサイトに掲載されている「公認スポーツ指導者養成制度オフィシャルガイド」に譲るとして、本稿ではざっくりとした内容でご紹介します。
それぞれどんな資格?
4つの指導者資格のそれぞれの役割は以下のとおり。
コーチ4
ナショナルレベルのトレーニング拠点において、各年代で選抜された競技者の育成・強化にあたる。
コーチ3
都道府県内レベルで競技者の発掘・育成のための指導にあたる。
コーチ2
地域のスポーツクラブやスポーツ教室などにおいて、年齢・競技レベルに応じた指導にあたるとともに、スポーツ教室などの企画や事業計画の立案などクラブ内指導者の中心的な役割を担う。
コーチ1
地域のスポーツクラブやスポーツ教室などにおいて、ジュニアや初心者を対象に基礎的指導にあたる。
公認指導者の登録人数について
それでは、公認指導者の登録人数の推移について見ていきましょう。
公認バドミントン指導者数
資格 | 2013年10月 | 2018年10月 | 差分 |
---|---|---|---|
コーチ4 | 58人 | 67人 | +9人 |
コーチ3 | 283人 | 359人 | +76人 |
コーチ2 | 543人 | 445人 | -98人 |
コーチ1 | 2,322人 | 2,257人 | -65人 |
(合計) | 3,206人 | 3,128人 | -78人 |
2013年以降5年間で、コーチ4・コーチ3の取得者は増えているものの、総数としては減少しています。ここから見えてくることは、既取得者はより上位の資格を取得していく傾向がある一方、新規で取得される方は少なくなってきているということが伺えます。
公認バドミントン指導者数 都道府県別TOP5(※2013年10月)
順位 | 都道府県 | 公認指導者数 | 日バ登録者数に対する比率 |
---|---|---|---|
1位 | 神奈川県 | 233人 | 1.5% |
2位 | 東京都 | 223人 | 1.1% |
3位 | 愛知県 | 181人 | 1.5% |
4位 | 静岡県 | 179人 | 4.5% |
5位 | 京都府 | 150人 | 2.5% |
日本バドミントン協会登録者に対する比率 TOP5
順位 | 都道府県 | 日バ登録者数に対する比率 | 公認指導者数 |
---|---|---|---|
1位 | 静岡県 | 4.5% | 179人 |
2位 | 島根県 | 4.0% | 44人 |
3位 | 和歌山県 | 3.5% | 35人 |
4位 | 鳥取県 | 2.9% | 48人 |
5位 | 京都府 | 2.5% | 150人 |
競技別 公認指導者数の比較(笹川スポーツ財団調べ)※2016年
競技名 | 公認指導者数 | 協会登録者数に対する比率 |
---|---|---|
サッカー | 34,254人 | 3.4% |
水泳 | 17,563人 | 13.5% |
バレーボール | 15,028人 | 3.6% |
バスケットボール | 8,003人 | 1.3% |
テニス | 4,731人 | 39.8% |
卓球 | 3,129人 | 1.0% |
ソフトテニス | 3,089人 | 0.7% |
陸上 | 2,903人 | 0.7% |
バドミントン | 2,890人 | 1.1% |
公認バドミントン指導者資格の詳細
バドミントンの公認指導者について概要は分かってきましたね。
それでは、これらの指導者資格を取得するにはどうしたらよいのか?そして、取得するにはどれくらいの費用がかかるのか?という点について見ていきましょう。
カリキュラムについて
公認バドミントン指導者のカリキュラムは以下のように分類されています。
- 共通科目:すべてのスポーツ競技において共通した指導理論や知識を学ぶ
- 専門科目:バドミントンに特化した指導方法を深く学ぶ
共通科目に関しては、日本スポーツ協会が監修している『公認スポーツ指導者養成テキスト』というテキストを使っての受講となります。
スポーツ医学/心理学/トレーニング論など、スポーツ指導者としての幅広い知識が身に付く充実した内容となっています。
取得方法について
コーチ1/2 と コーチ3/4で、指導者養成講習会の開催頻度や主催団体が異なります。
コーチ1/コーチ2の取得方法
コーチ1、コーチ2は各都道府県のバドミントン協会が主催し、養成講習会を開催します。が、都道府県単位でみると毎年開催されているわけではありません。ちなみに2018年度の開催実績は以下の通り。
コーチ2:北海道、千葉県、静岡県、愛知県、奈良県、宮崎県
コーチ1:北海道、埼玉県、東京都、神奈川県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、愛媛県
コーチ3/コーチ4の取得方法
コーチ3、コーチ4は日本バドミントン協会が主催し、養成講習会を毎年開催しています。味の素ナショナルトレーニングセンターなど定められた場所で数日間に渡る合宿を行います。
受験対象者ならびに受験費用
コーチ4
満22歳以上、コーチ3有資格者かつ高い技能水準と優れた指導実績を持ち日本バドミントン協会が認める者
共通科目:192.5h(47,520円)
専門科目:40h(17,280円)
コーチ3
満22歳以上、コーチ2有資格者 or 全国大会ベスト32以上 or 全国大会ベスト32以上を指導した実績のある者
共通科目:152.5h(19,440円)
専門科目:61h(10,800円)
コーチ2
満22歳以上、コーチ1有資格者 or 全国大会出場者 or 全国大会出場者を指導した実績のある者
共通科目:70h(15,120円)
専門科目:21h(10,800円)
コーチ1
満18歳以上
共通科目:35h(19,800円)
専門科目:42h(15,120円)
(おまけ)ジュニアスポーツ指導員
日本スポーツ協会の公認指導者資格にはバドミントンのような競技別の資格以外に、競技の枠にとらわれない資格もあります。
その中から、「フィットネス資格」に分類されている「ジュニアスポーツ指導員」について少し紹介します。
お子様にスポーツを楽しんで貰いたいという方におススメの資格です。
ジュニアスポーツ指導員の役割
地域スポーツクラブ等において、幼・少年期の子どもたちに遊びを通した身体づくり、動きづくりの指導を行う者
取得方法
満20歳以上の誰でも受講可能ですが、年に1回、東日本と西日本の2箇所のみでの養成講習会が開催されます。
共通科目(通信):35h(19,800円)
専門科目:40h(21,600円)※前・後期2,3日ずつの座学と実習
さいごに
ということで、公認バドミントン指導者の資格制度についてまとめてみました。
日本代表が世界ランキング上位の常連となって久しい昨今、子ども達のバドミントンへの興味は一昔前とは比べものにならないほど高まっています。
しかしながら、これは指導者資格を取得した知人から聞いた話なのですが、バドミントンの指導については30年以上前から教え方が変わっていない事例が多い事、そしてそのことが健康的なバドミントンライフを時に阻害している事などを日本バドミントン協会では危惧していると指導者養成講習会では教わるそうです。
ラケットの材質が変わり軽量化されたことにより、身体の使い方も大きくかわってきています。従来の指導法を新しい教え方に塗り替えていくために、みなさんも指導者資格の取得にトライしてみませんか?
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