こんにちは。ライターのよしろー(@shuttle_circle)です。
最近、イ・ヨンデ選手を見なくなったなあ…なんて思っていませんでしたか?
実はイ・ヨンデ選手はまだ現役のプレイヤーであるにもかかわらず、BWFが主催するワールドツアーなどの国際大会に参加することができなかったんです。
それは韓国バドミントン協会の独自規定によるものなのですが、実は1年前からその規定を巡って裁判になっていたそうで(全然知らなかった)。
今回は、そんな韓国バドミントン界の話題をとりあげ、最後に日本にも目を向けてみたいと思います。
他メディアが報じた内容
そもそも日本語で読めるメディアのなかでは、本件が大きく取り上げられることはありませんでした。
そこで、今回は英語で読めるメディアのなかで Badzine さんや、Badminton Planet さんの報じた内容に依拠して書いていきます。
独自規定
そもそも、韓国のバドミントン協会には独自の規定がありました。
その内容は、オリンピックか世界選手権でメダルを獲得した選手は、代表引退後 31歳(女性プレイヤーは29歳)になるまで BWF主催の国際大会に出場できない…というもの。
それを不服としたシン・ベクチョル選手(28)と コ・スンヒュン選手(31)は、去年の段階で裁判所に訴えを起こしていたんですよね。
その裁判が先日ようやく決着。ソウル高裁の判決によって、元韓国代表選手がBWF主催の国際大会に出場する権利が認められました。
韓国バドミントン協会の独自規定を退け、シン・ベクチョル選手,コ・スンヒュン選手をはじめとする元代表選手の出場権を認めたということです。
ただし韓国の代表チームを「引退」している選手たちは、韓国から独立プレイヤーとして戦っていくことになりそうです。
たとえば38歳のイ・ヒョンイル選手などは、代表引退後も自身にスポンサーをつけて、サポートメンバーとともに国際大会に挑み続けています。
訴えをおこした2選手について
シン・ベクチョル選手(写真右)もコ・スンヒュン選手(写真左)も韓国を代表するダブルスプレイヤーですが、この2人でペアを組んでいて、2014年には世界選手権の男子ダブルスで優勝しています。
シン・ベクチョル選手はトリッキーで巧みなラケットさばきと、スピード感あるプレーが目を引きます。
コ・スンヒュン選手は爆発力のある後衛からのスマッシュが印象的でしたね。独特なフォームから繰り出されるストレートスマッシュは相手からすると読みづらさもあったと思います。
現行の独自規定がある状態だと、(2018年6月現在で)28歳のシン・ベクチョル選手が31歳になる3年後まで、この2人がペアを組んで国際大会に出場することができなかったということになります。
しかし、裁判所が独自規定を取り下げるよう命じたことで、2人はすぐにでも国際大会に復帰してくるんじゃないでしょうか!
判決の影響
今回は「そもそも韓国バドミントン協会の規定がおかしい」という判決だったので、国内のすべてのプレイヤーに対して同様の権利が認められることになりました。
この2名以外にも、29歳のイ・ヨンデ(Lee Yong-Dae)選手、28歳のキム・サラン(Kim Sa-rang)選手、27歳のキム・ギジョン(Kim Gi-Jung)選手なども対象となります。
これだけのメンバーが再び国際大会のランキング戦に戻ってくるとなると、「ダブルス王国」韓国の復活となるかもしれないですね。
デンマークの選手たちは30歳あたりになってもまだまだバリバリの現役でやっているし、これから世界のトップの舞台に戻ってきてくれることが、いちバドミントンファンとして楽しみです。
日本の「独自」ルール
さて、おとなり韓国の裁判は「対岸の火事」ではないかもしれません。
実は、日本でも「代表(ナショナル)チームのメンバーでなければ、いかに高い世界ランキングを保持していても上位大会に出場することができない」という独自のルールがあります。
バドミントンのワールドツアー の上位大会(旧大会で言えばスーパーシリーズ以上の大会)への出場は、原則的にA代表だけにしか認められない…というルールですね。
Grade 2-Level 4(旧スーパーシリーズ)以上の国際大会は日本代表選手(ナショナルチーム)A代表のみエントリーとする。但し、選手強化本部が認めた場合、日本代表選手(ナショナルチーム)B代表の選手も出場可とする。
上位大会に出場できない以上、代表チームに入っていない選手はランキングポイントを稼ぐのが至難の業です。そんなの当たり前じゃないの?と思うかもしれないけど、そうでもないみたい。
日本と韓国だけではなく、マレーシアでも同様の規定があるようで、こちらにも飛び火する可能性があるかもしれません。
旧グランプリゴールド以上の大会には、ナショナルチームのメンバーでなければ参加することができないと、マレーシアでも同様の規定が定められています。マレーシア協会は、そのときに中国、日本、韓国でも同様のルールが設けられていることを引き合いに出した。
…と Badzine の記事は伝えています。
あなたはどう考えますか?
こうした規定は、代表(ナショナル)メンバーを保護するための独自規定だと考えられます(韓国のように「独立」プレイヤーが増えると、その分だけ代表選手の枠が食われかねないから)。
- 国として強化を試みている代表メンバーを保護するべきなのか?
- それとも代表メンバーに選ばれないプレイヤーにも広く国際大会への門戸を開くべきなのか?
これは立場や価値観によって意見が別れるところでしょうね。また、その国におけるバドミントンの位置づけによっても変わるでしょう。
そして、それはなぜですか?
…以上!海外メディアの情報をもとに、韓国バドミントン界のニュースをおとどけしました!
今回の記事を書くにあたって、英語の文章を読む力がものすごく衰えていることを実感したので、定期的に読まなきゃなあ…と実感したのでした()
それでは今回はこれにて。
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