群雄割拠!?バドのトマス杯・ユーバー杯(国別対抗戦)の歴史と大会情報

こんにちは。ライターのよしろー(@shuttle_circle)です。

バドミントンは個人競技ですが団体戦ももちろん存在しています。

プレーヤーとしても、応援側としても、団体戦って燃えますよね!!個人戦とは違った雰囲気があります。

  • 高校生であれば:インターハイ、選抜の学校対抗戦など
  • 実業団選手であれば:S/Jリーグ、全日本実業団など

そして、代表選手であれば国別対抗戦がある!

今回は、そんなバドミントンの国別対抗戦の中でもトマスカップとユーバーカップ(よく見る略称:ト杯・ユ杯)についてまとめてみます!

バドミントンのトマスカップ・ユーバーカップってどんな大会?

バドミントンの国別対抗戦には、男子の国別対抗戦であるトマス杯(Thomas cup)、女子の国別対抗戦であるユーバー杯(Uber cup)、そして混合の国別対抗戦であるスディルマンカップ(Sudirman cup)があります。

近年では、偶数年にトマス杯・ユーバー杯が、奇数年にスディルマン杯が開催されます。したがって2018年に開催されるのはトマス杯・ユーバー杯ということになりますね。

トマス杯・ユーバー杯

画像出典:Thomas & Uber Cup Historic Journey|BWF Thomas & Uber Cup

トマス杯・ユーバー杯の場合は2複3単の5本勝負で、3本先取したほうが勝ち。「国別対抗戦」と呼ばれるにふさわしく、その国の選手層の厚さが問われる形式になっています。

トマス杯・ユーバー杯の歴史

男子の国別対抗戦である「トマス杯」という名前は、BWFの前身であるIBF(国際バドミントン連盟)の創設者である「サー・ジョージ・トマス」に由来します。

この人は「バドミントンでも、テニスのデビスカップのような国別対抗戦をやる!」という熱意を持っており、そのトマスさんの熱意を称える形で「トマス杯」という名前がつけられています。

大会が提案されたのは1946年のことで、実際に第1回大会が行われたのが1948-49年のこと。戦後すぐにスタートしていますね。

一方のユーバー杯の名前も、この大会の創設提案者である「ベティ・ユーバー」さんに由来します。この人は戦前の名プレーヤーだったそう。

大会が提案されたのは1950年のことで、実際に第1回大会が行われたのが1956-57年のこと。第1回トマス杯の直後に提案されていることがわかります。

情報求む!
「当時、女子の国別対抗戦がある競技は世界的にも珍しいことだった」というのをどこかで読んだ気がするんだけど、どこだったか忘れました。ソース知ってる人は情報くださいまし。。
実質的な「世界選手権」の1つ

1977年に「世界選手権」が創設されるまで、このトマス杯・ユーバー杯は、全英オープンと並んで、バドミントンの実質的な「世界選手権」としての役割を担っていたのだそうです。

全英オープンはすでに非公式の世界選手権(個人戦)として機能していた。さらに1940年代後半からは、トマス杯(と、後に始まったユーバー杯)が、チームとして自分たちが世界一であることを証明する場となっており、これらの大会によって選手たちはすでに個々の能力を示すことができていた。

出典:世界選手権の歴史(BWF公式サイト、英語ページ)をもとに、著者が邦訳。

よしろー
「だいたいこんな感じ」ってレベルなので、ガバガバ訳なのは勘弁してください(
もともとは4複5単だった!?

トマス杯の第1回大会はマレーシアがその初代チャンピオンに輝きました。

当時はダブルス4つと、シングルス5つの合計9つでトマス杯を勝負していたんだというから驚きます(※ユーバー杯はダブルス3つ、シングルス4つで勝負)。

よしろー
9つ勝負をしたら、1試合あたりの時間がめっちゃ長そう…。

ちなみに、このときマレーシア(独立前なので厳密にはそう言わないけど)はデンマークに8-1で勝利しました。圧勝です。

この形式が変わったのは1984年のこと。3年に1回開催されていたトマス杯・ユーバー杯が、2年に1回の開催となり、さらにこのときにトマス杯・ユーバー杯ともに現行の「2複3単」となりました。

よしろー
「3複4単」とか「4複5単」とかは流石に長すぎなので「神アプデ」ってヤツですね!(ソシャゲ脳

出場の条件(国別の世界ランキング)とは?

トマス杯・ユーバー杯ともに、本戦に出場できるのは16カ国です。前回大会で優勝した国と、ホストの国(開催国)、さらに各大陸予選で上位に入った国には出場権が与えられます。

  • 前回大会優勝国
  • 開催国
  • アジア大会 ベスト4
  • ヨーロッパ大会 ベスト4
  • パンアメリカ大会 優勝
  • オセアニア大会 優勝
  • アフリカ大会 優勝

残りの枠は、国別ランキング(the team’s ranking)の上位チームから順番に与えられます。

よしろー
ちなみに国別ランキングは、単純に個人の世界ランキングポイントを足していって算出します。単純明快!

国別ランキング(the team’s ranking)は、2018年2月22日時点での各国シングルス上位3名とダブルス上位2名の合計で算出されます。

出典:トマス杯・ユーバー杯 FAQ(BWF公式サイト、英語ページ)を元に著者が邦訳

2018年の場合、日本の男子チームはアジア大会ベスト8であったため「アジア代表」とはなれなかったものの、国別ランキングで上位だったためトマス杯の出場権が与えられることになりました。

重複もアリ!

トマス杯・ユーバー杯には、単複を兼ねて(重複で)出場することも可能です。

2016年の大会では、プサルラ・V・シンドゥ選手が重複エントリーしていましたね。

インド 日本
単1 ネワル 奥原
単2 プサルラ 山口
複1 グッタ/レディ 高橋/松友
単3 ガッデ 佐藤
複2 プサルラ/ポンナッパ 松尾/内藤

※表出典:トマス杯・ユーバー杯2016 グループリーグ結果(BWF公式サイト、英語ページ)を元に著者作成

よしろー
「シンドゥ選手のダブルス」とかいう激レアシチュエーションに出会える国際大会はユーバー杯だけかも!?

…とはいえ、勝ち上がっていくとあまりにも負担が大きくなるだろうから、選手層に余力のある国は重複エントリーなんてめったにしないと思います。

トマス杯・ユーバー杯の思い出

2006年、日本で開催されたトマス杯・ユーバー杯ですが、トマス杯の決勝トーナメントでインドネシアとあたり、佐藤翔治選手がタウフィック・ヒダヤット選手に勝ったんだそうです!

平子
あれは目の前で見てたけどガチで興奮した。
平子
もう会場割れんばかりの歓声だったよ。

※自分はこの頃ちょうどバドミントン始めたばかりなので知らなかったけど、探せば当時の動画もでてきます。

よしろー
確かに割れんばかりの歓声…!

トマス杯・ユーバー杯の思い出といえば2014年に日本チームが初優勝を果たしたことですね!

maijun
トマス杯は2014年優勝したのが一番嬉しかったの覚えてます!
よしろー
同じく!家族全員で深夜まで生中継見てました!!第3シングルスの上田拓馬選手の応援とか超燃えた!!!

動画は、2014年にトマス杯優勝を決めた第3シングルス上田拓馬選手のマッチです。男子も女子も揃って応援しています(*^^*)

過去の大会

長い歴史のあるトマス杯だけど、2012年大会まで、その優勝カップを手にした国はたったの3カ国だけでした。

  • インドネシア
  • 中国
  • マレーシア

このうち最多がインドネシア(トマス杯制覇:13回)。デンマークはたびたび決勝までのぼりつめるものの、なかなか優勝できないでいました。

2014年に日本が、2016年にデンマークが優勝し、ようやく他の国が名を刻んだような状態です。2018年はどこが優勝するのでしょうか?

ユーバー杯は中国が最多14回の優勝をほこりますが、実は日本も過去に5回のユーバー杯優勝経験があります。

  • 1965-66年:ニュージーランド大会
  • 1968-69年:ニュージーランド大会
  • 1971-72年:日本大会
  • 1977-78年:ニュージーランド大会
  • 1980-81年:日本大会

2018年は久しぶりにタイトル獲得となるかもしれませんね!

観戦のポイント

重要なのは第3シングルス!?

トマス杯・ユーバー杯では、世界ランキング順に第1シングルス→第2シングルス→第3シングルスと並べなければなりません(ダブルスも同様)。

また、(先述の)重複エントリーがない場合、順番通りいけば最後に回ってくるのは第3シングルスです。この第3シングルスが超重要!!競った試合では必ずここに勝負が託されるからですね。

2016年にデンマークが優勝したときも、勝負を決めたのは第3シングルスのヴィッティンフス選手でした。

他の国なら第1シングルスや第2シングルスにでてきてもおかしくないようなレベルの人で、当時のデンマークの選手層の厚さを実感します。

第1シングルスや第2ダブルスなどには、誰もが知っているトップ選手が登場したりしますが、第3シングルスにどういう選手が待ち構えているかが重要だったりします。

国別対抗戦ならではの熱量

高校生や大学生のときから部活でバドミントンをやっている人には馴染みがあるかもしれないけれど、2複3単で行われる団体戦ってめっちゃ長いんですよね。

S/Jリーグのような2複1単ではないため、1試合の時間がとても長くなります。

しかし、それゆえにチームに対する応援の熱量もすごいんですよ!

ましてや国別対抗戦です。インドネシアなど熱心なファンが多い国は必ず応援に駆けつけています。個人戦以上のアツさを感じる大会になることまちがいなし!

トマス杯・ユーバー杯を見よう!

個人戦の国際大会とも、国内の団体リーグ戦ともまた違った雰囲気の大会になることまちがいなし!

2年に1度のお祭り、楽しみにしておきましょうね♪

※出典:この記事はトマス杯・ユーバー杯のBWF公式サイトに依拠して書きました。

それでは今回はこれにて〜。


mintonについて
mintonは、バドラー(バドミントンに関わる全ての人)にとって便利で楽しい世界を創出することをミッションに立ち上げられたポータルサイトです。

友だち追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です